自由形tkのページを分離するにあたって
〜あくまで自由形
都心のみどりのでんしゃを頒布しております。
まだ修正版にとりかかれず、コアなファン諸兄にはご不満な点も多々あるかとは思いますが
この系統の電車がお好きな方はゆっくりお待ちいただければ幸いです。
まだ下記の監修いただいた分は手をつけておりません。
あまりに多種なので、これはゆっくり進行させたいと思いますし
正直なところ、どれから手をつけて良いのかわからない状態です。
もう５〜６年前になります。
Luv'Tと称して某私鉄の鋼製旧型電車を全種、エッチング板で作ろうと
当時（今はこんなバカな消費の仕方をする余裕もなく）スズメの涙より軽いボーナスを全て使い、
それでも足りなくて貯金も残高１桁にしてまで、空回りした情熱とでもいうべき意味不明な
「表現者」のまねごとをした経験があります。
集めた情報は可能な限り自分なりに分類して、ほんの些細な部分も網羅（したつもり）、
そのうちの1/3だけが塗装までこぎつけて、
あるお店で貴重なスペースをお借りして展示させていただいた時期があります。（感謝！）
当時から最近まで、まったくこれらは車体素材として頒布する意図はありませんでした
（このため試作１枚を作成するためだけにかかったコストは相当割高でした）
Luv'Tを仕掛ける前年、「銀座線」40数種を作成しましたが（これは全種塗装後、某所に提出）
このとき、すでに20年前にならんとする実車末期に、各車を綿密に調査された方のレポートが
重要な起爆剤となりました。
そのレポートの文末にある「全部をＮゲージで作るのが夢」というコメント、
かの有名な井上恒一氏による「感動の最上級は『モデルにしてやる！』」という名言を引き合いに
出すまでもありませんが、
調査する情熱、それが過去にどなたかが燃焼させていたのであれば、
それを簡易とはいえ３次元で表現することもまた、実車の現役時代に触れるには遅い世代としての、
「下請けの零細ガレージメーカーとしての」情熱とでも言うべきものです。
残念ながらこれも（…も、という部分に私共の悲哀が滲み出ます）その細分化ゆえに、
赤字にしかならないプロジェクトではありましたが、
後日、銀座線のレポートを当時まとめられた方に直接お会いする機会があり
喜んでいただけたことが、しがない零細ガレージメーカーとしては何より嬉しかった次第です。
話を戻しますと、
その後、上記のLuv'Tは半分までを半田付け作業を終えてから、以降の作業がまったく進展しませんでした。
「車軸圧入仕様を分解可能にするための改造」や「変電所精密化」、はたまた「ある道路観察研究」など
（これらは機会がありましたら、いずれ成果をお目にかけるつもりです）
他のことに手を染めていたこともありますが、すでに４〜５年放置されたエッチング板は
当時の板表面の輝きはすっかり褪せておりました。
そんな折、その電車関連に熱烈なファンの方から、拙作について考証漏れを指摘していただくことが
ありました。
言われて確認してみれば、たしかにその方の仰る通りで、つくづく己の浅学、にわか勉強付け焼刃のモロさを
痛感した次第です。
それだけで終わるかと思いきや、以前当方で作図した原画をご覧頂いたあと、細部にわたり個体差の監修、
とりわけ模型での視点における重要な部分をポイントで示しての形態分類をしていただけるという、
調べるにも手間も時間もかかる作業を行っていただけるという幸運に恵まれました。
実際にその分類を拝見した段階で、実際にここまでの形態差を
仮に拙作で全種網羅したところで、各種とも売れるのは良くて5個程度であろうと思われます。
なにしろあまりの種類の多さに、限定頒布にするとしても部品管理が大変なことは明白です。
しかし、
実物誌を拝見しても、おそらくこの鉄道の旧型車をここまで（特定車種だけならば以前、特集はあった）
形態分類での発表記事はないものと思います。
資料が豊富に揃っていたにせよ、それを「模型化図面を作図する作業者がわかりやすいように要点をまとめる」
ことはまた別の労力が必要で、相当の情熱をもって取り組んでいただいたようです。
ここまで具体的に情熱を示していただけた以上、それも特に報酬を期待してのことではなく
ご自身の趣味の延長だと仰って提示いただけた以上は、
是非とも３次元で具象化すべきであって、
少なくともこれは、私共のガレージメーカーとしての沽券に関わることと考えます。たとえ赤字確実であろうと。
（「実際に役に立った資料」を提供いただいたお礼は、従来からの扱いと同じく「その車体素材」しか差し上げられません。
なにしろ私共は日本最弱の貧乏ガレージメーカー…）
ただし最低限必要性のある事情により、これらはあくまでも自由形ということになります。
自由形でも実車でどこがどう違うかを把握していることは重要ですよね。たぶん。
